葬儀を執り行う際に「斎場」という言葉をよく耳にします。以前は自宅や寺院での葬儀が当たり前でしたが、近年、近所や自治体との付き合い方の希薄化や、葬儀形式の多様化により、斎場での葬儀が主流になりました。しかし、斎場がどういった場所なのか、火葬場と何が違うのかなど、詳しく知る人は少ないでしょう。 今回は、斎場の意味やその種類、選び方などを詳しく解説していきたいと思います。
斎場とは
斎場とは、通夜・告別式などの葬儀を行う施設のことをいいます。大きく分けて、市町村が運営する公営の斎場と、葬儀社や組合によって運営される民間の斎場があります。葬儀を行うための設備が充実しているのが特徴です。また、遺体を安置するための霊安室や親族の控室、会食室や宿泊設備が整っている場所もあります。 葬儀社や民間の斎場には「会館」や「ホール」、「聖苑」という名称が付けられていることが多いです。
斎場と火葬場の違い
斎場と火葬場の違いは「火葬するための設備があるか」です。斎場は主に、通夜や告別式などの葬儀を行う場所です。一方、火葬場はその名の通り「火葬を行う場所」になります。 公営の斎場は、火葬場が併設されていることがほとんどです。葬儀社、民間斎場は基本的に火葬設備がありません。 (しかし、東京都中心部での火葬は、民間斎場が行っているケースがほとんどです。)
斎場の種類
葬儀を行うための斎場は、主に4つの種類があります。
公営斎場
市町村が運営する斎場です。特徴としては、まず利用料の安さです。斎場を運営している地区の住民は利用料が安くなります。公営なので設備も充実しており、大型の駐車場や、葬儀まで安置できる霊安室、家族控室も十分に備わっています。また、1つの建物に複数のホール(式場)が備わっているので、1日に何組もの葬儀が執り行われます。 しかし、利用料が安い分希望者が多いため、予約が取りづらいというデメリットがあります。斎場の数に限りがある地域では、利用予約が長くて1週間先になるケースもあります。また、同時に複数の葬儀が行われるため、民間の斎場に比べると音響や演出に制限があります。交通機関からのアクセスも必ずしも良いということはありませんので、利用する際の移動手段なども注意が必要です。
民間斎場
葬儀社や企業が運営する斎場です。特に葬儀社の斎場は、公営よりも設備が充実していたり、施設がきれいに整っていることが多いのが特徴です。また、公営に比べて同時に複数の葬儀を行うことが少なく、最近では家族葬の増加から「1日1葬儀」という形で行っている葬儀社もあります。その場合、斎場全てを1家族だけで利用できるので、ゆっくり過ごすことができます。 デメリットとして、利用料が公営よりも高くなります。斎場の広さも、場所によっては小さい作りになっていることもありますので、利用する際は葬儀の規模を考慮し比較検討する必要があるでしょう。場所も駅からアクセスがいい場合もありますが、住宅地に斎場があることもあります。
寺院や教会
宗派にもよりますが、お寺や教会で葬儀を行うことも可能です。それぞれ、敷地内に葬儀用の貸ホールを持っていることもあります。利用する場合、信者や檀家のみに限られていることがありますので注意が必要です。
自宅
自宅を斎場として葬儀を行うこともできます。斎場利用料金もかからずに済み、自宅なのでリラックスして葬儀を執り行うことができるのもメリットです。 しかし、公営や民間に比べてスペースに限りがあり、場合によっては大がかりな片付けが必要になるでしょう。音や人の出入りなどで近所に迷惑がかからないよう配慮も必要です。また、出棺後に祭壇などの片付けをするので、留守番が必要になります。
斎場の選び方
どの斎場を利用するのかは、さまざまな観点から選ぶ必要があります。
設備
・霊安室の有無 ・会食を行えるか ・宿泊可能か ・火葬場が併設されているのか など 葬儀をするにあたり、自分たちの希望とその斎場の設備の特徴がどれだけ当てはまるかを確認しましょう。
料金
公営か民間かで利用料金は大きく変わります。一般的には公営の方が安くなりますが、斎場のある自治体の住民以外の方が利用する場合、割高になることがあります。 また葬儀形式として一日葬を行う場合、斎場によっては1日のみ利用する場合でも、2日分の料金が発生することあります。さまざまな葬儀形式がある中で、斎場にかかる費用もさまざまです。料金についての不安点がある場合、実際に葬儀社で話を聞いてみるのがよいでしょう。
広さ
どのくらいの規模で葬儀をするかによって、斎場の広さも重要になります。参列する人数に対して斎場が狭かったり、逆に広すぎたりすることがないようにしましょう。少し余裕のあるくらいの広さにするのがおすすめです。
アクセス
斎場へのアクセスは参列者にとっても重要事項になります。交通の利便性や駐車場の有無など、しっかり確認しましょう。駅からのアクセスが悪い場合、送迎バスを運航している葬儀社もあります。また、斎場から火葬場までどのくらいかかるかも把握しておきましょう。
空き状況
葬儀が行われるまで、何日も日が空く場合があります。特に公営は利用希望者が多いため、注意が必要です。希望の日程で葬儀を行えるのか確認しましょう。
まとめ
いかがでしたか。 今回は斎場について詳しく解説しました。 地域によって、斎場の種類や数もさまざまです。家族葬や小規模葬の増加に伴い、小さな斎場の数も増えてきました。公営か民間かで悩む方も多いでしょう。まずは、葬儀の大まかなプランや自身の希望を考え、それに合った斎場を選ぶようにしましょう。 おくりびと®のお葬式では、設備の充実した斎場を数多く持っています。公営や他の民間斎場、寺院での葬儀にも対応可能です。ご家族の希望にあった斎場選びをお手伝いします。24時間、365日対応しておりますので、一度お気軽にご相談ください。