葬儀に参列する際、必ず持参する香典。香典には「故人様へのお供え」という意味があります。しかし、最近では葬儀形式の縮小化や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響から「密」になることを防ぐために参列を控えることも多くなってきました。そんなとき、香典を郵送することができるのをご存じでしょうか。直接葬儀に足を運ばない場合でも、香典を自宅や斎場に郵送することが可能です。 今回は、香典を郵送する際の注意点やマナーについてご紹介します。
香典は郵送してよいのか
香典の郵送は可能です。仕事の都合や、感染症の流行など、さまざまな事情から先方に伺えないこともあるでしょう。その際に香典を郵送するのも一つの方法です。その際はお悔やみの気持ちを込めて香典を郵送しましょう。
郵送する際に気を付けるべき点
香典を郵送する際に気を付けるべき点は4つです。
現金書留用の封筒に入れる
金銭の郵送になりますので、必ず現金書留用封筒を使用します。その際、現金は不祝儀袋に包み、表書きなどを省略せずにしっかり書きましょう。現金書留用の封筒に氏名、住所を書きますが、そうであっても不祝儀袋の記入を省略するのは好ましくありません。しっかり両方に記入をします。
早めに送る
葬儀に参列できないことが分かったら、早めに香典を送るようにしましょう。もし、葬儀の日までに間に合わない場合は、葬儀後2~3日、遅くても1週間以内に届くように送ります。 現金書留郵便は日付指定で郵送することが可能です。葬儀の日を指定して送れば、遅れるリスクを軽減できます。
送り先の確認
香典は、自宅または葬儀社や斎場に送ります。葬儀の日に届けたい場合は葬儀社、斎場宛てに送るのがいいでしょう。ただし、場合によっては対応していないこともあるので、必ず電話で確認を取ってから送りましょう。斎場に送るときは、宛名を「喪主名」または「気付」にします。気付とは、送り先が家ではないという意味です。そうすることで、斎場のスタッフが受け取ることができるようになります。その際に、どの家に宛てたものなのかの明記を忘れないようにしましょう。
手紙を添える
香典を郵送する場合は、お悔やみの言葉と共に、葬儀に参列できないお詫びを手紙に添えます。必ず必要というわけではありませんが、手紙を添えた方がより丁寧な対応です。 お悔やみの手紙は、一般的な手紙とは異なるマナーになります。以下のことに気を付けて書くと良いでしょう。 ・白い縦書き便箋を使用する ・一重の封筒に入れる(郵便番号枠のないもの) ・薄墨で書く ・時候は不要 ・忌み言葉は使わない
お札の入れ方
香典のお金の入れ方は、中袋の表にお札の裏がくるように入れます。また、結婚式などでは新札を使用しますが、葬儀の場面では新札の使用はNGです。新札を入れるのは「あらかじめ用意していた」という意味があるので、葬儀の場面では新札ではないお札を使用します。ただし、ボロボロのお札は失礼にあたるので、ある程度きれいなものを使用しましょう。新札しか手元にない場合は、一度半分に折ってから使用するとよいでしょう。
薄墨を使用する
表書きに名前などを書く際は、毛筆(筆ペン)で薄墨を使用します。これは「悲しみから涙で文字がにじんだ」という意味があり、葬儀の場面では薄墨を使用するのがマナーです。
まとめ
今回は香典を郵送する際のマナーについてご紹介しました。 近年の葬儀の縮小化や感染症の影響による参列の制限などにより、実際に葬儀に足を運ぶ機会が少なくなったかと思います。他にも遠方であったり、体調が優れないといった理由で、参列することが難しい方もいるでしょう。そのようなときは、香典を郵送することで、少しでもお悔やみの気持ちを伝えることができます。 今回紹介したものはあくまでルールです。絶対にこの通りにしなければいけない訳ではありません。 しかし、実際に香典を郵送する際には、相手に失礼のないよう郵送時のマナーや注意点に気を付けるとをお勧めします。 この記事を参考にしていただければ幸いです。