お葬式において「喪主」は主催者の役割を担っています。 葬儀に関するさまざまな取り決めや、参列者や僧侶への対応など、その役割は多岐にわたり非常に重要な存在です。その中でも「喪主挨拶」は葬儀中に何度も行う挨拶です。主な場面としては、通夜・告別式、出棺時、精進落としです。参列者に向けて、何度も違う場面で挨拶をすることになるので、挨拶文を考えるのに苦労する方も多いでしょう。 一般的に、喪主挨拶は参列してくれた方へ感謝を述べますが、近年さまざまな事情から葬儀の縮小化が進んでいます。特に、家族や親族などごく一部の人だけで葬儀を行う「家族葬」が増えています。一般参列者がいないのが特徴ですが、家族葬において喪主挨拶は必要なのでしょうか。 今回は、家族葬での喪主挨拶について解説します。 挨拶文の例文もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
喪主挨拶とは
喪主挨拶とは、お葬式の節目に集まってくれた方に喪主が家族を代表して挨拶をすることです。喪主は主に故人様の配偶者、または子ども(長男・長女)が行います。 挨拶の内容は、忙しい中集まってくれた方へのお礼が基本です。故人様の代わりに感謝を述べる場でもあり、挨拶の場面はいくつかあります。
家族葬で喪主挨拶は必要?
喪主挨拶は参列してくれた方へのお礼ではありますが、だからといって一般参列者のいない家族葬で喪主挨拶をしないのはNGです。どんな葬儀形式でも、喪主挨拶は必ず行います。 喪主は葬儀を進行させる役割もあり、責任者です。家族、親族といった身内しかいない場合でも、進行上挨拶をするのがマナーです。
挨拶文を書く際のポイント
挨拶文を書く際のポイントは3つです。
長すぎないようにする
喪主が挨拶を行う場面はいくつかあります。1つ1つの挨拶が長くなりすぎないように気を付けましょう。各挨拶3分以内にまとめるのが理想的です。
NGワードに気を付ける
葬儀において、使用してはいけないNGワードが存在します。 終わる・消す・去年・短いなどの「忌み言葉」や、たびたび・くれぐれ・皆々様などの「重ね言葉」は不幸を連想させるためタブーとされています。 他にも、 ・ご逝去(遺族の場合は「永眠」や「他界」を使用) ・乾杯(お祝いの場での言葉のため、葬儀では「献杯」) ・お開き(乾杯同様にお祝いの言葉のため、葬儀では「閉会」) 上記の言葉を使うのはNGですので、気を付けましょう。
場面に合わせた挨拶をする
喪主挨拶を行う場面はいくつかあります。挨拶の内容が重複しないよう、その場面に合わせた挨拶をするよう心がけましょう。
挨拶文の例文
喪主挨拶の挨拶文を、場面ごとにご紹介します。
通夜
通夜時の喪主挨拶は、参列への感謝・故人様が生前お世話になったお礼・翌日の告別式の案内を含めて挨拶をします。
挨拶例文
本日はご多忙中にもかかわらず、〇〇のためにお越しいただき誠にありがとうございました。ここに生前賜りました、ご厚情に対し、厚くお礼申し上げます。 なお、明日の葬儀・告別式は(午前・午後)〇〇時より執り行わせていただきますので、 なにとぞ、よろしくお願い申し上げます。 本日は誠にありがとうございました。
通夜振る舞いがある場合はその案内も伝えます。 家族葬での挨拶の場合、あまり形式にはとらわれずに故人様との生前の思い出や、最後の病状などを含めて挨拶をするのもいいでしょう。
告別式(出棺)
告別式後(出棺)の喪主挨拶は、位牌を持った喪主とともに、遺影を持った家族が並んで行います。この時の挨拶は外で行うこともあります。あまり長くならないよう、簡潔に述べましょう。
挨拶例文
皆様、本日はお忙しいところ、〇〇の葬儀、ならびに告別式にお運びいただきまして、誠にありがとうございました。 また、たくさんの方にご丁寧にお見送りいただき、厚く御礼申し上げます。 生前のご厚情を故人に代わりまして心からお礼申し上げますとともに、今後も変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。 本日は、誠にありがとうございました。
精進落とし
精進落としでの喪主挨拶では、参列者へお世話になったお礼を主に挨拶を行います。 四十九日法要の日程が決まっている場合は、伝えるのを忘れないようにしましょう。
挨拶例文(精進落とし前)
昨日、そして本日と、いろいろとお気遣いいただきまして誠にありがとうございました。 おかげさまで、滞りなく葬儀をすませることができました。 〇〇もさぞ感謝していることと存じます。 あらためてお礼申し上げます。 ささやかではございますが、精進落としの用意をいたしましたので、どうぞ、ごゆっくりお召し上がりください。 本日は誠にありがとうございました。
挨拶例文(精進落とし終了時)
本日は誠にありがとうございました。 皆さまもお疲れのことと思いますので、本日はこれにて終了とさせていただきます。 たくさんの思い出話を伺い、改めて〇〇を知ることができました。 貴重なお話、ありがとうございました。 なお、四十九日の法要は〇月〇日の〇曜日を予定しております。 今後とも、私どもと変わらぬお付き合いをいただけますようお願い申し上げます。 本日は、誠にありがとうございました。
まとめ
家族葬での喪主挨拶は必要ですので、省略せずに必ず行いましょう。 ただし、挨拶文の内容は形式にとらわれなくて大丈夫です。故人様との思い出や、生前の様子などを含めて、参列してくれた方への感謝を述べましょう。 喪主挨拶において大切なのは、故人様に代わって感謝を述べることです。 生前お世話になったこと、葬儀に集まってくれたこと、無事に終えられたことを故人様に代わってお礼を伝える場でもあります。 もし、挨拶の内容に困ったら、葬儀担当者へ相談してみましょう。挨拶文作成に役立つさまざまな例文を用意してくれます。 「おくりびと®のお葬式」では、葬儀の知識・経験豊富なスタッフが、ご家族の悩みを全力でサポートいたします。喪主挨拶に関することなど、何かお困りのことがありましたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。