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大安に葬儀はしてはいけない?葬儀と六曜について

2023.08.10

大安に葬儀はしてはいけない?葬儀と六曜について

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目次

葬儀に関わるマナーや決まりは、多くの人にとって「調べなければ分からないもの」です。 決して「日常的なこと」ではないため、いざ自分が葬儀を行う側になったときにとまどってしまう人は非常に多いといえます。 ここではそのようなとまどいを軽減するべく、事前に知っておきたい知識をお伝えします。 今回取り上げるのは、「六曜と葬儀」「大安と葬儀」です。

大安に葬儀をしてはいけない?

暦の考え方のひとつに、「六曜」というものがあります(後述します)。 そこの「大安」にあたる日に葬儀を行ってはいけない、とする考え方があります。 これは、「大安は非常におめでたく、縁起の良い日である。そのため、そんな縁起の良い日である大安には葬儀を行うべきではない」というところから来ているものです。 ただ、この「六曜」はあくまで暦の考え方のうちのひとつにすぎません。しばしば六曜は仏教用語あるいは仏教と関わりのあるもののようにとらえられますが、実際には六曜と仏教の間にはまったく関係はありません。そのため、「大安に葬儀を行ってはいけない」という考えも、ただの迷信に基づくものです。 したがって、大安の日に葬儀を行ってもまったく問題はありません。

六曜とは

それでは、この「大安」の基本となる「六曜」とはどのようなものなのでしょうか。 これについてもみていきましょう。

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六曜という考え方は、古代の中国でできたものです。 その発生年は正確にはわかっていません。諸葛孔明が生み出したのではないかと言われることもあり、唐の時代に生まれたものではないかと言われることもあります。ただ、どの説もあくまで「推測」に過ぎず、明確な正解はないようです。 ただ、六曜が日本に伝わってきた年代はある程度判明しています。六曜が日本にわたってきたのは14世紀の鎌倉時代あるいは室町時代のころだといわれていて、それが江戸時代に広く広がったと考えられています。ちなみに、日本が近代化していくきっかけのひとつとなった「明治の改暦」によって六曜はその使用を禁止されましたが、今でもこの考え方はなくなっていません。実際に、令和の時代のカレンダーにおいても、六曜が記されたものは数多くあります。 さて、この六曜は、文字通り、以下の6つで成り立っています。

先勝(せんしょう、さきがち)

「先んじれば勝つ」の意味を持つ日であり、午前中の運勢がよく、午後からの運勢が悪いとされている日です。

友引(ともびき)

「引き分けになる日、決着が着かない日」とされています。 1日の運勢の変化はかなり独特で、11時から13時までが運勢の悪い時間であるとされています。

先負(せんぶ、さきまけ)

「先勝」と対になるものです。午前中は運勢が悪いとされる日です。 ちなみに、午後も謹んで過ごすのが良いとされています。

仏滅(ぶつめつ)

何をしてもうまくいかない日であるとされています。 ちなみにこの「仏滅」は「仏が滅する」と書きます。この字面から、(本来はまったく仏教とは関わりのない)六曜が、「仏教用語である」ととらえられるようになったと考えられます。 ※ちなみに六曜は葬儀だけでなく結婚式などの慶事にも関係しませんが、それでも「仏滅の日には結婚式を避ける」とする人たちもいます。

大安(たいあん)

上で触れた「祝い事に適した日」のことです。 万事物事がうまく進む日であるとされていて、結婚式などの慶事によく選ばれる日です。また現在では気にする人も少なくなってきましたが、縁起を担ぐ経営者などの場合は大安にに自社ビルの着工などを行っています。

赤口(しゃっこう、しゃっく)

「11時~13時を除く時間が良く、それ以外は悪い」とされる日です。

ちなみに六曜は、先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口→先勝……の順番に繰り返していきます。 なお現在は宗教への帰属意識が高くない人も多くなく、「六曜は暦の考え方のひとつであって、実際の運勢とは関係ない」ということから、気にせずに葬儀や結婚式を行う人が多くなっています。

「気にする人もいる」ということ

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「六曜は実際の運勢やマナーとは無関係のものであるから、大安の日に葬儀を行ってもまったく問題ない」ものですが、ただそれでも、葬儀を行うのであれば「友引」は少し意識しておいた方がいいかもしれません。 「友引」は、「友を引く」と書くため、「この日に葬儀を行うと、生きている人が亡くなった人にひっぱられてしまう(=亡くなってしまう)」と言われてきた時代があったのです。 これももちろん迷信ではありますが、気になるようならば「友引人形」を入れるとよいでしょう。 これは棺に入れる人形であり、「生きている人の代わりに、この人形を連れていくように」として入れるものです(※ご希望の方は仰ってください)。

葬儀の日程の決め方

六曜は葬儀と直接関係するものではないため、葬儀の日程を決める場合は「宗教者(菩提寺のご住職など)や、絶対に参列してほしい人、あるいは葬儀ホールや火葬場のスケジュール」「どれだけの時間を故人様と一緒に過ごしたいか」などによって決めていって構いません。 ただ、葬儀は「心」に深く関係するものです。 「六曜は迷信だから、葬儀を行う日付とは関係がない」と言ったとしても、なかには「それでも避けたい」「やっぱり、大安や友引の日に葬儀を行うのはなんとなく落ち着かない」という人もいることでしょう。 このような人がいる状況で、「関係がないから!」と大安や友引の日に葬儀を強行してしまうと、気にする人にとっては納得できるお別れにはなりません。 そのため、このような反対意見が出て、かつスケジュール的にほかの日にずらせるようならば、別の日にした方がよいでしょう。 また、地域によっては火葬場が友引に稼働しないため出棺ができないケースも多くあります。葬儀社の案内に従って日程を調節するようにしましょう。

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まとめ

六曜の考え方は、仏教とはまったく関係はありません。 そのため、大安の日でも友引の日でも、関係なく葬儀を挙げてもよいと考えられます。 ただそれでも「やはり気になる」という人がいるのであれば、別日を選んだ方がよいでしょう。 気がかりなことがあると、満足なお別れができなくなってしまうからです。