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香典って何?香典の正しい書き方や渡し方、金額が分かる葬儀マナー

2023.08.14

香典って何?香典の正しい書き方や渡し方、金額が分かる葬儀マナー

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目次

香典(不祝儀)は、葬儀のときにご遺族にお渡しするお金をいいます。 この香典(不祝儀)のルールは宗教ごと・立場ごとによって違うため、悩む人も多いかと思われます。この記事ではこのような人に寄り添い、香典(不祝儀)の基礎知識とよくある質問に答えていきます。

香典(不祝儀)とは?

香典(不祝儀)とは、葬儀のときにご遺族に渡すお金のことをいいます。 もともとは香典は、文字通り、「お香を渡す」というものでした。 かつてお香は、ご遺体から出る腐敗臭を防いだり、獣がやってくるのを防いだりするという実利的な目的で使われているものでした。 しかし当時のお香は現在ほどもちが良くなく、またそれなりに高価なものであったため、一家庭だけで「一晩中炊き続けられるだけのお香」を確保するのはなかなか大変だったと考えられます。そのような状況への対策として、葬儀に参列する人たちがみんなでお香を持ち寄ったのが、現在の「香典」の始まりだと考えられています。 時代が経つにしたがってお香づくりの技術が進歩していったため、現在ではこのように「全員でお香を持ち寄らなければならない必然性」は消えてしまいました。しかし当時の相互扶助の精神は現在も生き続け、「葬儀にはお金がかかるから、お金を寄せよう」とする考えに成り代わって「香典(不祝儀)」というかたちで残ることになりました。 なお、「香典」という言葉は厳密には仏教用語です。非常によく知られた言葉であるため、しばしば専門サイトでもキリスト教・神道・そのほかの葬儀のときにもこの表現が用いられますが、ここからはより正確に「香典(不祝儀)」と記していくことにします。

香典(不祝儀)の金額の相場とマナーは?

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まず、香典(不祝儀)の金額の相場とマナーについて解説していきます。 原則として香典(不祝儀)の金額は、「故人様との関係性が深ければ深いほど、包む金額も大きくなる」と考えてください。 たとえば実母が亡くなった場合で、かつ自分以外の兄弟姉妹が喪主となる(=葬儀費用を自分以外の兄弟姉妹が全額負担する)という状況のときは、10万円程度を包むことになります。 対して会社の上司などが亡くなった場合は5千円~1万円が目安となります。また、近所の人が亡くなった場合は3千円~5千円を包むことになります。 また香典(不祝儀)として出す金額は、「4」「9」のつく数字は避けます。4千円や9千円などは入れてはいけません。「部活で一緒だった同級生の親が亡くなった。部員は5人だったので、親を亡くした同級生以外の4人で1人1千円ずつ出して香典(不祝儀)としたい」という場合は、もう250円ずつ多く出して5千円にして出す必要があります。

香典(不祝儀)の書き方マナー

香典(不祝儀)の表書きについても見ていきましょう。 香典(不祝儀)の表書きは、宗教によって異なります。 仏教の場合は文字通り「御香典」「御香料」などのような言い回しを取ることになります。 神道の場合は、「御榊料」「御神前」「御玉串料」などのようにするとよいでしょう。 カトリックの場合は、カトリックとプロテスタントで書き方が異なります。カトリックの場合は「御ミサ料」という言い回しがとれますが、プロテスタントの場合はこれを使わず「献花料」などのように書きます。ただし、「御花料」という書き方はカトリックでもプロテスタントでも認められています。 なお、宗教を問わずに使える表書きとして「御霊前」があります。厳密に言うとこの言い回しは仏教の特定の宗派のみNGとされていますが、参列者の立場で香典(不祝儀)を包む場合はその点をとがめられることはないでしょう。 この表書きは、水引の上部分に書きます。水引の下の部分には、自分(差出人)の名前を書きましょう。なお中袋がある場合は、そこに金額と住所氏名を書いておいてあげると親切です。

香典(不祝儀)の渡し方マナー

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香典(不祝儀)の表書きに宗教による違いがあるように、香典(不祝儀)袋にも宗教による違いがあります。 香典(不祝儀)袋のなかにはハスの花が印刷されたものがありますが、これは仏教(ゴーダマ・シッダールタ、お釈迦様)と関わりの深い花ですから、仏教以外では使うことはできません。逆に十字架やユリの花が印刷されたものは、キリスト教の葬儀限定です。 香典(不祝儀)袋の水引は、結び切りもしくはあわび結び(あわび結び)です。水引の色は黒白もしくは双銀(双白)です。一部の地域では黄色と白の組み合わせの水引を使うこともありますが、迷ったのであれば黒白もしくは双銀(双白)のものを選ぶとよいでしょう。 なおキリスト教の場合は水引を用いない白い封筒に包んでいく方式もとれますが、これは「キリスト教の場合は水引をつけた不祝儀袋を使ってはいけない」ということとイコールではありません。キリスト教の場合は、水引がついていてもついていなくてもOKである、ということです。 香典(不祝儀)はふくさに包んで持参します。ふくさは寒色系(青色や紺色、緑色など)のものを選びます。暖色系(赤色やピンク色、橙色など)は慶事用のふくさですから使用しません。 ただし紫色のふくさならば慶弔どちらにも使えます。 なおふくさは風呂敷タイプのものがもっとも正確だとされていますが、取り出しやすいポケットタイプのものでも問題ありません。 香典(不祝儀)は、受付でお渡しします。香典(不祝儀)を渡すための盆が用意されているので、ふくさから出した香典(不祝儀)をその盆の上に乗せて受付の人に渡してください。 香典(不祝儀)を受け渡しする段階で芳名帳(現在はプライバシー保護の観点から芳名カードを用いるケースもあります)に名前と住所を記してください。 なおここでは「香典(不祝儀)を渡す」ということでマナーを解説してきましたが、現在では「家族葬なので香典(不祝儀)を辞退する」とするご家族も増えてきています。ご家族がこのような意向を示された場合は、それに従いましょう。 香典(不祝儀)辞退の意向が示されているにも関わらず香典(不祝儀)を無理に渡してしまうと、ご家族に返礼品を用意する手間をかけさせてしまうことになります。

まとめ

相互扶助の精神から端を発している香典(不祝儀)の文化は、令和の現代でも脈々と受け継がれています。 宗教によるマナーの違いはありますが、迷った場合は、 ♦白黒もしくは双銀(双白)の水引のついた ♦無地の香典(不祝儀)袋に ♦「御霊前」と書いて ♦紫色のふくさに包んで持っていく というやり方を取れば間違いありません。上記のやり方ならば、喪家がどんな宗教を信仰していたとしても失礼にならないからです。