故人様の最期のお別れの機会となる葬儀。 しかし、この1度しかない機会に際し、参列をしたくても体調不良や、どうしても変えられない予定があったり、海外にいて帰国できなかったりなどの理由で、葬儀に出席できない場合もあるでしょう。 また、昨今の感染症の影響でお知らせを遺族が控えたことで、結果的に参列できなかったという場合もあるかもしれません。 このように、近しい人が亡くなり連絡が来ている場合でもどうしても欠席しなければならないときには、欠席の連絡を行ったり、後日弔問するなどの方法で礼を通す必要があり、そうした場合に守るべきマナーもあります。 しかし、近しい人の葬儀というのはあまりない機会ですし、まして欠席することも少ないでしょうから、どのようにすればいいかわからないという人も多いでしょう。 そこで今回は、葬儀に参列できないときの連絡方法や、葬式後の弔問の際のマナー、香典や供え物の贈り方などを解説していきます。
欠席のときの連絡方法やマナーは?
葬儀を欠席する際には、ご遺族から葬儀のお知らせを受けているか、受けていないかによって対応方法が異なります。 結婚式などと違って葬儀に「招待状」はありませんが、基本的に葬儀というのは「招かれて参加するもの」という性格が強いため、そもそもお知らせを受けているかどうかは非常に重要なのです。 ここでは、葬儀を欠席する際の連絡方法やマナーについて、ご遺族からお知らせを受けている場合とそうでない場合の最適な対応方法を解説していきます。
人づてに聞いたなど、ご遺族から直接お知らせを受けていない場合
ご遺族から直接葬儀開催のお知らせや連絡が届いていない場合には、葬儀を欠席する際に特段連絡はする必要がありません。 そもそも、参列を特に求められてはいないと考えられるからです。 葬儀への参列をはじめ、冠婚葬祭の際には基本的に「招かれざる者であればアクションはとらない」のが基本です。 結婚式であれば招待状というものがありわかりやすいですが、葬儀の際にも、基本的には直接の電話連絡や郵送でのお知らせがない場合には、参列は遠慮しておきましょう。 たとえ仲のいい界隈で人づてに聞いていたとしても、連絡が来ていない限りは遠慮するのがマナーなので、「特に出席に関する連絡はしない」が正解です。
ご遺族から直接連絡やお知らせを受けていて、やむを得ず出席できない場合
逆に、ご遺族から直接訃報や葬儀のお知らせを受け取っているものの、やむを得ない事情により参列できない場合にはどのように対応すればいいのでしょうか。 結論から申し上げますと、そのまま正直に、ご遺族に直接参列できない旨を伝えましょう。 最期のお別れということもあり罪悪感を感じるかもしれませんが、そもそも訃報というものは突然やってくるものです。 そのため、やむを得ない事情で出席できないからといって、何も気に病む必要はありません。 なお、出席できない理由も当然添えて伝える必要がありますが、葬儀前のご遺族というのはやることが山積みでお忙しいのが普通です。 参列できない理由や葬儀欠席の連絡はなるべく短く簡潔に済ませるのがマナーといえます。 ちなみに、出席できなくとも弔電を打つという方法で弔意を伝えることは可能ですし、19時までに申し込むことで当日中の配達も可能です。
後日弔問する場合のマナー
やむを得ない事情で葬儀に出席できなかった場合、後日改めてご遺族の自宅へ「弔問(ちょうもん)」に伺うのが一般的です。 弔問とは、故人様の家に直接訪れ、故人様への弔意やお悔やみの言葉をご遺族に直接伝えたうえで、仏壇(あるいは祭壇や神棚)にお参りをすることです。 弔問に伺う際には、当然ですがご遺族にあらかじめ弔問に訪れる旨と日時を伝えますが、ご遺族の希望が最優先なのは言うまでもありませんので、ご遺族のスケジュールに合わせるようにしましょう。 なお、葬儀直後はご遺族も余裕がないことが多いので、おおむね葬儀後3日~四十九日法要までに訪れるのがマナーとされていますが、四十九日法要の後でも問題ありません。 弔問の際には「平服」が基本で、地味な色のビジネススーツやワンピースを選びましょう。また、弔問の際には葬儀で渡せなかった香典を持参しお供えするのがマナーです。 ちなみに、葬儀に出席できなかったからといって、弔問を「しなければならない」わけではありません。 無理に押し掛けることもマナー違反になりますので、状況によってはご遺族に配慮して弔問をしない、というのも立派なマナーといえるでしょう。
葬儀に行けないときの香典
葬儀に行けない場合、香典をご遺族に届ける方法はいくつかあります。 上述した通り、葬儀後に弔問する際に持参する方法もありますが、他にも、マナー違反とならずに香典を届ける方法があります。具体的には以下の通りです。
別の参列者に香典を託す
自分が葬儀に出席できない場合、自分の香典を、葬儀に出席可能な別の参列者に託すこともできます。 他の人に香典を持って行ってもらうことはマナー違反にはなりませんので、もし葬儀前に友人等にお会いできる状況にあるならこの方法をとるといいでしょう。 なお、香典を託す際は、香典袋(不祝儀袋)に自分の名前・住所・香典の金額を明記しておくとわかりやすいです。
現金書留封筒に入れ郵送する
香典は、郵送することもできます。 しかし、現金をそのまま郵送することは法律で禁止されているため、香典袋をそのまま送ることはできません。 香典袋を用意したうえで、さらに現金書留封筒に入れて送ることになります。郵送する際には、お悔やみの言葉を明記した手紙を同封するとよりスマートです。
お供え物を贈る
出席できない葬儀に際し弔意を伝えるには、お供え物を贈るのも一つの方法です。 お供え物の例としては、供花や果物・菓子のほか、線香・抹香・ロウソク・五穀などがありますが、こうしたお供え物を送るのもいいでしょう。 葬儀後に弔問する場合には、香典のほか、お花や果物などお供え物を持っていくとスマートですが、あまりかさばる大荷物であってもご遺族に迷惑がかかるので、仏壇にお供えできるくらいの量で、必要最小限にとどめるのがいいでしょう。
まとめ
以上、葬儀に参列できない場合にどのような対応をとればいいのか、ケースごとに分けて解説しつつ、葬儀後の弔問の方法やマナーについてや、葬儀に行けないときの香典・お供え物の送り方までを解説しました。 ご遺族から連絡をもらっていても、葬儀に出席できないことは悪いことではありません。 しかしその代わり、しっかりと欠席の旨を連絡するのが礼儀です。 また、出席できない場合は弔電を打つ・弔問する・香典や供え物を送るといった代替手段をできる限りしておくと、マナーの良い対応になります。