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施設で葬儀は可能?施設葬について紹介

2023.08.14

施設で葬儀は可能?施設葬について紹介

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目次

近年ではライフスタイルの多様化によって、高齢になると老人ホームなどの介護福祉施設への入居をする方も増えています。 その一方で葬儀の形も多様化しており、こうした施設への入居を行っている方が亡くなった場合にその施設で葬儀をあげるという、いわゆる「施設葬」という形も増えてきているのです。施設葬はまだまだ一般的とはいえない葬儀ですので、そもそも施設でどのように葬儀をあげるのかわからない方も多いでしょう。 そこで今回は、近年増えつつある「施設葬」に着目し、施設層の具体的な内容や費用相場・注意点などを解説していきながら、「施設葬とは何か」に迫っていきましょう。施設葬に招かれた場合に意識するべきポイントも含めて解説しますので、「自分達ではなく周りで施設葬が営まれ誘われた」といった場合にも参考にしてみてください。

施設葬とは?

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施設葬とは、老人ホームや老人福祉施設といった施設に入居している高齢者が施設内で息を引き取った際、その施設で葬儀を営むというスタイルの葬儀です。

施設葬はなぜ増えているのか

施設葬はなぜ近年増えているのでしょうか。 結論から申し上げますと、ライフスタイルの多様化、価値観の多様化が背景にあります。 かつては、高齢者の介護は家族が自宅で行うのが普通でした。昔は、家族の構成人数も多かったですし、二世帯住宅など家族が一つの場所に寄り集まって生活することが一般的で、近所付き合いも深く近所全員でお年寄りを見守れる環境があったからです。また、基本的には女性が家にいるのが当たり前だったので、家に長い時間いる女性が親や祖父母の介護も行なっていました。 しかし、現代では核家族化が進み家族の構成人数が減り、ご近所付き合いも希薄化し、女性の社会進出も当たり前になるなど社会情勢の変化や多様化が進んでいます。そうした情勢に合わせて自宅での介護が大変になる一方、孤独死などのリスクもあり、自宅に高齢者を残すのにも不安な世の中です。そうした中で老人ホームなどの施設へ入居するお年寄りも増加し、平成28年には施設への入居者は50万人を超え、施設内で亡くなる方も10万人を超えました。 また、現代では施設内に医者が常駐することも増え、施設内で看取ることができる環境がある程度整っているというのも、施設葬が増えた理由の一つでしょう。医者が常駐していない施設で病気をした方がいても、「病院よりも住み慣れた施設で最期を迎えたい」という希望も少なからずある事から、病院から施設に帰り、施設で亡くなる人が増えているのもあります。

施設葬のメリット

葬儀は、昔は自宅で行われるのが一般的でしたが、現在では9割近くが斎場などの葬式場を利用しての葬儀となっています。 そうした中で、上述したような高齢者の生活環境の変化によって新たに増えつつあるのが施設葬なのです。施設葬には、以下のようなメリットがあります。 ♦故人様が生前親しんだ環境で見送ってもらえる ♦ご遺族にとって会場探しの手間がなく、宿泊ができる場合もある ♦故人様と同じく移動が大変な施設の同居者や、お世話になった施設関係者に見送ってもらえる ♦故人様の遺体を施設内に安置できるため、遺体搬送の手間がない ♦施設側としても最後の時を過ごしてもらえた故人様を見送ることができる ♦施設側が介護から葬儀まで一貫したサービスを合理的に運営できる

施設でできるお葬式の形

老人ホームなどの福祉施設は、葬儀場も兼ね備えた特別な施設でもない限り、葬儀を行えるようには作られていません。 しかし、葬儀の内容や規模によっては施設内でも十分に行えるものもあります。

一日葬

一日葬は、本来2日間にわたって行われる葬儀を簡略化し、1日だけで必要な儀式を全て行ってしまうスタイルの葬儀をいいます。 儀式の工程が少なく時間もかからないので、施設内でも実施可能なコンパクトさが魅力です。

家族葬

家族葬は、参列者を家族親族やごく親しい知人友人のみに限ることで、ご遺族の負担を大きく減らすことができる葬儀のことです。 一日葬と違って葬儀の儀式を省略することはありませんが、参列する人数を大幅に減らせるので、施設内でも十分に行えます。施設葬の場合は、入居者を含む施設関係者及びご遺族・家族親族と、ごく一部の友人知人に限ることが多いです。特にコロナ禍の現在では感染対策にもなり、高齢者が多く入居する福祉施設にもってこいといえます。

直葬(火葬式)

直葬(火葬式)は、最も簡略化された葬儀の形で、葬儀・告別式すら行わず、火葬場で簡単な挨拶と読経のみを行ったのち荼毘に伏すスタイルの葬儀です。 施設葬の場合は、施設内に安置しておき、納棺の儀を行ったらすぐに出棺し火葬という流れとなります。火葬場を兼ねた施設はあまりありませんので火葬場で入居者が集まるのは難しいですが、納棺時や出棺前に見送るなどの工夫は可能です。

施設葬の注意点

施設葬にはメリットもありますが、自宅でも斎場でもない施設ならではの注意点もいくつかあります。

他の入居者への配慮が必要

老人ホームなどの施設が自宅や斎場と最も違うのは、施設内に他にも多くの入居者がいるということです。 こうした施設では個室の場合もありますが、大部屋で複数人で暮らす人たちも多くいて、そうした大部屋に入居している人が亡くなると、他の入居者がショックを受けてしまうかもしれません。仲良くしていた場合には大丈夫な方もいますが、尚更ショックを受ける方もいます。 亡くなった場合は安置場所に速やかに移動するなどの配慮が必要ですし、葬儀を行う際にも必ずしも全ての入居者が参列するわけではありませんから、無関係の入居者の迷惑にならないよう、棺の移動や参列者の動線にも気を遣わなければなりません。

葬儀が可能な施設とそうでない施設がある

本人が入居しているのが、必ずしも葬儀ができる施設とは限らない点にも注意が必要です。 近年では福祉施設内に葬儀場を設けるなど葬儀ができる環境を整えている施設もなくはないですが、まだまだ少ないです。葬儀が出来ない施設であった場合は施設葬は行えません。

施設内に安置できない場合、安置場所の手配が必要

施設内で亡くなった人用の安置場所が設置されている施設もありますが、そうした安置場所がない施設ももちろんあります。 施設で安置ができない場合は、葬儀場所が施設内であっても安置場所の確保が必要です。こうした場合、葬儀社の管理する安置施設か、自宅が安置場所となります。

施設葬の費用相場

施設葬の場合、まだまだ開催割合が低いこともあって、費用相場について情報は非常に少なく、一般的な相場がどのくらいかを割り出すのは困難です。 しかし、施設葬をプランとして設けているいくつかの葬儀社(あるいは施設)のプランを見る限りでは、費用込み込みで30万円〜50万円程度が相場といえるでしょう。

施設葬に招かれたらどうする?参列の際のポイント

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施設葬を行うのではなく、施設葬に参列することになったら、どのように振る舞えばいいのでしょうか。 これもある程度は施設葬で葬儀をあげる場合と同じようなポイントを注意しなければなりません。

他の入居者に迷惑がかからないよう静かにする

先にも注意点として述べた通り、施設には他にもたくさんの入居者がいます。 故人様とある程度関係していた方ならまだしも、無関係の人たちにとっては葬儀はショッキングなものでもありますし、不快に感じる方もいらっしゃるかもしれません。特に騒音を立てるのは純粋に迷惑になってしまいます。施設は屋内ではありますが「公共の場所である」という意識を持つことが大切です。

必要最小限の人数で参列する

先述した通り、動線には注意を払いましょう。 特に都市部の場合、施設はそこまで広いわけではありませんし、特に廊下は部屋を広く取るために狭くなっていることが少なくありません。こうした中で大人数で参列に訪れてしまうと、騒音も問題ですが、他の入居者やスタッフの生活動線を塞いでしまうことになりかねません。 特に介護が必要な入居者の方は緊急な対応を必要としている場合もありますので、参列の際は必要最小限の人数に留めましょう。香典を渡したいという方もいるかもしれませんが、代表者がまとめて持っていくようにしましょう。

お別れが済んだら速やかに施設を辞去する

故人様とのお別れが済んだら、あまり長くとどまらず、速やかに施設を辞去するようにしましょう。 何度も言うようですが、施設内は公共の場所であり、かつスペースにも限界があります。 また、これは盲点となりがちですが、駐車場にいつもは来ない参列者の車が置きっぱなしだと、他の入居者の家族やスタッフなど必要な車が駐車できなくなってしまいます。車移動が少ない都市部でも駐車場は限られていることが多いので、参列が終わり次第、車を移動させる意味でも早めに帰るようにしましょう。 なお、通常の葬儀の流れについては以下の記事も参照ください。

葬儀の流れを確認—参列する際の注意点や必要事項とは

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葬儀の流れを確認—参列する際の注意点や必要事項とは

まとめ

以上、「施設葬とは何か」を、メリットや注意点を含めて解説しつつ、参列する際に意識するべきポイントも解説しました。 施設葬は、通常の斎場などでの葬儀や、自宅葬などとはまた違った環境であり、施設特有の事情もあります。葬儀を執り行う側も参列する側も「施設は公共の場所である」ことを忘れず、他の入居者の迷惑にならないように振る舞いましょう。 なお、私共「おくりびとのお葬式」では施設葬プランを用意しており、状況に応じた柔軟なお見積もりを行なっております。家族が老人ホーム等の施設に入居されている場合には、施設葬もぜひ検討してみてはいかがでしょうか。