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お寺を呼ばずに葬儀は可能?無宗教葬や注意点などについて解説

2023.08.14

お寺を呼ばずに葬儀は可能?無宗教葬や注意点などについて解説

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目次

現代の日本は「無宗教」と言われます。 仏教以外の葬儀では神道やキリスト教式など色々ありますが、そうした宗教に特に属している自覚のない世代が増えてきており、「自分は無宗教である」と名乗る人も多いでしょう。 そうした中で、「なぜ葬儀は仏教なのか」といった疑問を持つ人が増えている関係で、葬儀においても宗教に囚われない形式の需要が高まっています。「お寺を呼ばずに葬儀をあげたい」と思う人も少なくないかと思われますが、それは可能なのでしょうか。 そこで今回は、「お寺を呼ばずに葬儀をあげる事はできるのか」という観点から、その実現可能な手段の一つとして「無宗教葬」をフォーカスしていきましょう。無宗教葬とは何か、どういったことを行うのか、注意点や費用相場など気になる点を徹底解説しますので、参考にしてみてください。

葬儀とは

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「無宗教」と言われる日本でも数少ない、宗教が大きく関係する行事が冠婚葬祭です。 とりわけ「弔い」を主体とする葬儀は、宗教的な意味合いが非常に強くなります。ここでは、日本の葬儀について簡単におさらいしていきましょう。

葬儀とは

葬儀とはそもそも「死者を弔う祭儀」であり、俗にいう「葬式」を指します。 簡単に説明すれば「故人様の死を悼み、死後の幸福を祈ること」ですが、「悼む」とは故人様の死を悲しむことを意味し、「弔う」とは死を悼むのみならず故人様のご遺族を慰めることも意味します。つまり、死を迎えた故人様と、遺されたご遺族双方にとって意味がある儀式なのです。

日本の葬儀が仏教式が主流

日本における葬儀は、仏教式が主流となっています。 日本の葬儀において仏教が主流となっているのは、長年にわたって仏教が社会に浸透していた歴史が大きく関係していますが、今では仏教徒であることを自覚している人はほとんどいないのではないでしょうか。 日本は無宗教と言われて久しいですが、「お盆」「初詣」「お宮参り」など生活に根ざした宗教行事はあります。葬儀においてもそうで、かつては檀家制度が一般社会に浸透していたため「葬儀はお寺さんが行うもの」とされているのが常識でした。 しかし今ではお寺のお世話になることは少なく、それこそ葬儀くらいでしかお坊さんと会わない方も多いはずです。そのため、必ずしも仏教式の葬儀を行うとは限らない世の中となり、そうした世の中の変化に合わせて、葬儀のスタイルは多様化していっています。

無宗教葬とは

無宗教葬とは、文字通り「宗教者が儀式を行わない葬儀」のことです。 仏教式の葬儀が主流である日本で言えば「お寺の僧侶を呼ばずに行う葬儀」ということになるでしょうか。無宗教葬は、「故人様とお別れする場は設けたいけれど、宗教的な儀式はいらない」という方に最適の葬儀です。 かつては日本の葬儀は仏教式が主流でしたが、時代が移りゆく中で、葬儀の形も変わりつつあります。政教分離の浸透した現代日本で「無宗教」の人が増える中、祖父母や先祖の菩提寺があるというだけで仏教式の葬儀をあげることに、疑問を持つ人がいても不思議ではありません。そうした中で新たな葬儀の形として生まれたのが「無宗教葬」なのです。

無宗教葬の場合に行うこと

人類の歴史の中で、「弔い」という行為と宗教は、非常に結びつきが深いものでした。 そのため、今も多くの人が「葬儀といえば宗教儀式を行うものである」と思っているのではないでしょうか。そうした考え方からすると、無宗教葬のような「宗教儀式のない葬儀」はなかなか想像がつかないかもしれません。それでは、無宗教葬では具体的に何を行うのでしょうか。

無宗教葬で行うことは自由に決められる

無宗教で行うことは、結論から言ってしまえば「自由」の一言に尽きます。 無宗教葬は宗教儀式を行わない葬儀です。そのため、日本では常識となっている仏教式の葬儀と違い、お寺を呼ばずに執り行うことができます。また、宗教儀式を行わないため、宗教的なしきたりやルールもないので、故人様やご遺族の意思を完全に反映させた葬儀が行えます。たとえば、無宗教葬では以下のようなことを行なって、故人様を偲び見送ります。 ♦読経の代わりに黙祷 ♦焼香の代わりに献花 ♦キャンドルを灯して故人様を偲ぶ ♦故人様が生前好きだった音楽を流す ♦故人様の思い出の品などの展示 ♦追悼ライブなどを行なって盛大に見送る あくまでも、上記は一例に過ぎません。無宗教葬で何を行うかは、故人様やご遺族が最もいいと思った形で、自由に決めることができます。

無宗教葬に関する注意点

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日本では「無宗教」の価値観が一般化している一方で、葬儀では仏教式をはじめとして、まだまだ宗教的儀式を伴うスタイルが一般的です。 伝統的な価値観というものはなかなか人々からは抜けないものです。そのため、そうした価値観から離れた無宗教葬には色々な注意点があります。 家族や親族の理解を得られない可能性がある無宗教葬は日本ではまだまだ少数派で、仏教式をはじめ宗教儀式を伴う葬儀が常識となっています。そのため、親族や家族の理解を得られない可能性があります。

無宗教葬を選ぶ理由によってはおすすめできない場合もある

無宗教葬を選ぶ際には色々な理由があるかと思いますが、特段宗教葬に抵抗がない場合には、安易に無宗教葬を選ぶべきではありません。 日本ではまだまだ無宗教葬に対する理解が進んでいないので、親族や菩提寺などとトラブルになる可能性もあるからです。そのリスクを押し切る理由やこだわりがない人にはあまりお勧めできません。 たとえば、「お寺を呼ぶとお金がかかるから」と費用面を抑えるために無宗教葬にしようとしている場合には、別の手段を検討する余地があります。葬儀一式を葬儀社やお寺に任せるのではなく、個別にお坊さんだけを呼ぶサービスもあり、そうしたサービスを利用することで費用はかなり抑えられるでしょう。

先祖代々のお墓がある場合は菩提寺に相談する必要がある

先祖代々のお墓がお寺さんにある場合など、先祖からの菩提寺がある場合には、菩提寺に事前に相談しましょう。 菩提寺に相談しなかったからといって法律に違反するわけではありませんが、先祖代々からお墓の管理をしてもらっている以上、相談なく無宗教葬というのは不義理になります。 先述の通り費用面で不安があって無宗教葬にしたい場合にも、菩提寺に相談することで費用を抑えてもらえる可能性もありますし、結果的に相談をした方が満足のいく形でスムーズにことが進む場合が多いです。面倒に思わず、菩提寺には事前に相談をしましょう。

無宗教葬の費用相場

それでは、無宗教葬の費用はどのくらいかかるものなのでしょうか。 残念ながら「無宗教葬の費用相場」というものはありません。先述の通り内容を自由に決められるため、費用がどのくらいかかるのかも内容次第であるからです。 とはいえ、おおよその目安を知っておきたいのも確かです。そうした場合に参考になるのが「火葬式(直葬)」の費用相場です。火葬式は火葬のみを行う、無宗教葬の一種ですが、ただ火葬に出すだけなので非常にシンプルです。 そうした火葬式の費用相場がおおよそ35万円前後と言われていますので、火葬以外のセレモニーを行うのであれば、この35万円にプラスして会場費用や飾り付けの費用などが加算される、というように考えておくといいでしょう。 火葬式について詳細は以下の記事を参照ください。

【東京都北区での火葬式】北区での火葬式の概要や流れを解説

おくりびとのコラム

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まとめ

以上、「お寺を呼ばずに葬儀をしたい」需要に応える無宗教葬とは何かを解説しました。 宗教儀式にかかる費用は葬儀費用の4分の1を占めると言われていますので、宗教儀式の伴わない無宗教葬を選択することで費用を抑える効果は確かにあります。しかし、まだまだ日本では無宗教葬が受け入れられるとは言いがたく、トラブルに発展するリスクもあることから、「宗教儀式が不要」という確信がない状態で無宗教葬を選ぶのは少々危険です。 しかし、逆を言えば故人様やご遺族の意思が固まっていれば無宗教葬を行っても大丈夫ですし、今後無宗教葬は増えていくと予想されます。そうした時代の流れも加味しつつ、無宗教葬もぜひ検討してみてください。