不慮の事故や急な病気で、遠方でお亡くなりになる人がいます。 一般的には陸路でご遺体を搬送しますが、遠方でお亡くなりになった場合、ご遺体を飛行機で搬送するケースがあります。 飛行機でご遺体を搬送するときは、陸路での搬送とは違う手続きが必要で、葬儀代に加えて搬送費用もかかります。 今回は、ご遺体を飛行機で搬送する際の費用・手続き・流れについてまとめています。
国内でご遺体を空輸する
ご遺体を移送する方法は陸路だけではなく、飛行機を利用して場所や埋葬地まで運ぶこともあります。 これは、遺族の要望などによるものです。 空輸が選ばれる理由はいくつかあります。まず、陸路を利用すると時間がかかりすぎる場合です。例えば、海外での死亡の場合が代表的です。また、国内でも費用を抑えたい場合にも飛行機が選ばれることがあります。 国内でも長距離を車やフェリーで移送すると、燃料費や高速道路料金、業者の人件費などがかさんでしまいますが、飛行機を利用すれば費用を節約できることがあります。 ご遺体の空輸は、専門業者が保管や手続きなどを代行して行ってくれます。具体的には、ご遺体の搬送や安置、航空券の予約や空輸手続き、到着先での葬儀社の手配などを代わりに行ってくれるのです。
国内で遺体を飛行機で搬送する時の費用
費用はおおよそ15万円から35万円ほど必要です。 この金額には、病院や空港への移動費用(高速道路料金を含む)、搬送までの安置費用、ドライアイス代、シーツ代、納棺料および白布棺の代金、人件費、空輸費などが含まれています。 ※燃料サーチャージ運賃の変動などにより、価格が異なる場合があります。 日本国内でご遺体を移送する際には、安全かつ確実な方法として、葬儀社に依頼することがおすすめです。移動距離に応じた料金設定があり、距離が長くなるほど追加料金がかかります。 また、ドライバーの人件費や高速道路料金も加算される場合があります。さらに、深夜の移送の場合は別途深夜料金が発生することにも注意が必要です。 ご遺体を遠くまで移送する場合には、空輸も一つの選択肢となります。特に移動距離が500kmを超える場合には、飛行機を利用する方が費用を抑えられることが多いです。飛行機の貨物代はおおよそ10万円から20万円程度となりますが、故人様の体の大きさや体重、棺のサイズによって費用が追加されることもあります。
国内でご遺体を空輸する流れ
ご遺体の搬送には、葬儀社などに依頼します。 故人様の氏名、年齢、身長、体重などを伝えて手続きを進めます。その後、葬儀社には空輸手続きに必要な死亡診断書(または死体検案書)や死亡届のコピーを提出します。 死亡届は、故人様の亡くなった場所や本籍地、または故人様が住んでいた地域の役所や役場に、死亡を知った日から7日以内に提出します。もし火葬を行う予定なら、死亡届を出した後に火葬許可証を受け取る必要があります。 死亡届を出せない地域で葬儀を行う場合は、事前に死亡届を提出しておく必要があります。書類の手続きが済んだら、葬儀社にはご遺体と一緒の便に乗るかどうかを伝えます。また、到着先でご遺体を受け取る葬儀社を選ぶことも行います。 葬儀社が空輸手続きを完了したら、搬送料や飛行機代を支払います。ご遺体はエンバーミングと納棺を経て搬送されます。到着後は、空港で待つ葬儀社が故人様を安置場所や葬儀会場などへ運びます。
ご遺体の空輸において必須となる「エンバーミング」とは?
空輸による長時間の遺体移送では、「エンバーミング」という技術をご遺体に施す必要があります。 これは、ご遺体をきれいな状態で保つための処理です。通常、飛行機では遺体防腐のために使用されるドライアイスは利用できないため、エンバーミングが必要となります。 ご遺体にエンバーミング処理を施すと、エンバーマーから遺体防腐証明書(エンバーミング証明書)が渡されますので、必ず携帯しておきましょう。特に一部の国では、防腐処理が義務化されている場合もあります。 以下、エンバーミングについて詳しく説明します。 エンバーミングは、遺体防腐処理や遺体衛生保存などと呼ばれる、腐敗を抑える処置のことを言います。元々はアメリカなど土葬文化のある地域で行われていました。エンバーミングを行うことで、ご遺体を長時間移動させる際にも腐敗の進行や匂いの発生を抑えることができます。 この処置では、ご遺体の体内から血液を抜き、防腐剤の注入を行います。これにより、おおよそ10日から2週間程度はご遺体をきれいな状態で保つことができます。 エンバーミングには重要な意義があります。 まず、感染症を防ぐ効果があります。ご遺体は時間が経つと腐敗していきますが、体液が流れ出ると感染症を引き起こす危険性が生じます。また、死肉食性の昆虫がご遺体に寄生する 可能性も考えられます。 防腐処理を行うことで病原菌を殺菌し、ご遺体を消毒することができます。ご遺体をきれいな状態で保つだけでなく、感染症の拡大を防ぐ役割もあるため、ご遺体の搬送に時間がかかっても、遺族は安心して最後の別れを迎えることができるでしょう。 葬儀による別れは、遺族の心のケアにも重要です。故人様が穏やかで美しい状態であれば、遺族は悲しみながらも平和な気持ちで別れを受け入れることができます。ドライアイスを使用した冷却方法とは異なり、極端に冷たくなったり硬くなったりすることもなく修復化粧が丁寧に行われるため、故人様の生前の姿に近づけることが可能です。
まとめ
国内の搬送で、空輸を利用する場合、費用が不透明であったり、手順が複雑であったりするため、一人で行うのは困難でしょう。 空輸を利用することになった際には、弊社「おくりびとのお葬式」にお問い合わせください。