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葬儀費用は相続税で控除できる?注意点や申告方法を解説します。

2023.08.14

葬儀費用は相続税で控除できる?注意点や申告方法を解説します。

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目次

葬儀費用はけっして安いものではありません。 高額な支払いに不安を抱く方もいらっしゃるのではないでしょうか?じつは相続税の計算では、葬儀費用は被相続人の債務と同じように考慮され、相続財産から差し引かれます。 葬儀には数百万円かかることもありますので、この控除によって相続税が大幅に軽減される可能性があります。 ただし、葬儀費用の控除には一定の基準が存在し、すべての費用が控除対象になるわけではありません。 以下では、相続税の税額を抑えるために葬儀費用を控除する方法について詳しく解説します。さらに、控除の対象となる費用や対処すべき事項、申告の方法についても解説します。

確定申告の所得控除対象ではない

葬儀費用は、確定申告における所得控除の対象ではないことをご説明いたします。 確定申告では、所得金額から控除できる項目がいくつか存在しますが、葬儀費用はその中に含まれていません。亡くなられた方の確定申告である「準確定申告」においても、同様に葬儀費用の控除は認められません。 ただし、亡くなられた方の医療費については、確定申告での控除が可能です。原則として、亡くなられた方が生存していた期間中に支払われた医療費は、亡くなられた方の準確定申告において控除することができます。

葬儀費用は相続財産から控除

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被相続人が亡くなると、通常は葬儀が行われます。社会的には葬儀を行うことが当然とされており、その費用は相続財産から差し引くことが可能です。 一般的に葬儀にかかる費用は約200万円程度と言われており、この額に対しては相続税の課税対象外となります。相続税の税率では10%が最も低いですが、単純に200万円を税率に当てはめると、20万円の税負担が軽減されることになります。 『200万円×10%=20万円』 次に葬儀費用として控除できる項目が気になってきます。葬儀にはさまざまな費用がかかりますが、全てが葬儀費用とは限りません。 例えば、「香典返し」は葬儀に欠かせないものですが、葬儀費用としては認められません。葬儀費用の控除を正しく行うためには、「どの費用が該当し、どの費用が該当しないか」を理解することが非常に重要です。 まずは、相続財産から差し引くことができる葬儀費用について詳しく見ていきましょう。

相続財産から控除できる葬式費用

国税庁により相続した財産から控除ができる葬儀費用が定められています。 そちらをもとに以下に分かりやすく記述いたしました。 ①医師の死亡診断書・・納骨のために取得したものは控除の対象となります。実際に火葬を行うためには、死亡診断書が必要です。 ②通夜、告別式の費用 ③葬儀場までの交通費 ④葬儀に関する飲食代(通夜、告別式)・・お通夜や告別式で参列者に提供される食事や、弔問客に対して提供される菓子や飲み物の代金が含まれます。通夜ぶるまいなどの料理は通常、葬儀会社が手配をしますが、その他にコンビニやスーパーで購入したものも費用に含めることができます。 ⑤ご遺体の搬送費用・・霊柩車や寝台車にかかる費用の他にも、事件に関連した行方不明のご遺体を運ぶためにかかる費用も含まれます。また、ご遺体の捜索にかかる費用も控除の対象となります。 ⑥火葬料、埋葬料 ⑦手伝ってくれた方への心付け・・香典などの受付を担当した人への謝礼を指します。受付業務全般にかかる費用も含めることができます。 ⑧お車代・・霊柩車やマイクロバスなどで火葬場への往復を運転してくれた方へのお礼です。 ⑨お布施、読経料、戒名料 ⑩納骨費用 ⑪そのほか通常葬式に伴う費用

相続財産から控除できない葬儀費用

こちらも国税庁により定められた相続した財産から控除できない葬儀費用を以下に分かりやすく記述いたしました。 ①香典返し・・遺族が受け取るものであり、そのため費用としては認められません。ただし、葬儀に参列してくれた方々へのお礼として別途渡す場合は、葬式費用に含めることができます。 ②生花、お供え・・喪主が負担した場合は費用に含めることができます。 ③位牌、仏壇の購入費用・・社会通念上不可欠なものですが、直接的に葬儀に関係するものではないため、葬式費用としては認められません。 ④墓地、墓石の購入費用・墓地の借入料・・社会通念上不可欠なものですが、直接的に葬儀に関係するものではないため、葬式費用としては認められません。 ⑤遺墓石の彫刻料 ⑥法事(初七日、四十九日)に関する費用・・「繰上げ初七日」と呼ばれる形式を行う場合には、その費用を葬式費用に含めることができます。「繰上げ初七日」とは、葬式と初七日を同時に行うことです。通常、初七日は亡くなった日から数えて7日目に行われますが、遠方に身内が住んでいる場合などは、1週間後に再び集まることが困難な場合があります。そのため、葬式と初七日を同時に行うことで、初七日にかかる費用を葬儀費用として含めることができます。 ⑦医学上または裁判上の特別の処置に要した費用 ⑧そのほか通常葬式に伴わない費用

相続財産から控除する際に知っておくべきこと

葬儀費用を相続財産から控除する際に知っておくべきことについて説明します。

領収書などの支払い明細は必ず保管

葬儀に関連する費用の支払い明細や領収書は、必ず保管しておきましょう。 相続人全員が葬儀費用の清算について話し合う際に、すでに支払いを済ませた費用について正確に証明することは、トラブルを防ぐために非常に重要です。 領収書が発行されない場合には、お寺への支払いなどでも手書きのメモを必ず残しましょう。さらに、亡くなった方の遺産から葬儀費用を支払った場合には、細かな支払い明細も適切に記録しておくことがトラブルを回避するのに役立ちます。

虚偽の申告は、厳しいペナルティが課される

相続税の申告において、葬儀費用を実際よりも多く申告することで、相続税の課税対象となる相続財産を減らし、結果的に相続税を削減することができます。 しかし、葬儀費用の虚偽の申告は絶対に避けるべきです。 もし虚偽の相続税申告が行われた場合、税務調査などによって不正行為と見なされ、厳しいペナルティ税が課される可能性があります。ですから、正確かつ適切な葬儀費用の申告を行うことが重要です。

葬儀後に申請すると、給付金を受け取ることができる

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国民健康保険または後期高齢者医療制度に加入している自営業者などが亡くなった場合、葬儀を主催した人(葬儀費用を支払った人)に給付金が支給されます。 この給付金は葬祭費と呼ばれています。 給付金の金額は自治体によって異なりますが、一般的には約3万円から7万円の範囲で決まっています。ただし、葬儀を行っていない場合は給付金を受け取ることはできません。

申請方法と申請先について

給付金を受け取るためには、亡くなった方の住民票が登録されている市区町村役場に必要書類を提出して申請します。 手続きが正確に行われれば、後日、申請者が指定した口座に給付金が振り込まれます。申請期限は、葬儀が行われた日から2年以内です。役所から手続きに関する事前通知は特にありませんので、葬儀費用を支払った方は申請を忘れずに行ってください。

葬祭費は相続税や所得税の対象外

葬祭費として受け取った給付金は、亡くなった方の財産ではないため、相続税の対象にはなりません。 また、給付金は所得税の対象外となります。給付金は葬祭費として受け取った人の個別の財産と見なされるため、相続放棄をする場合でも給付金を受け取ることができます。

相続税の申告で葬儀費用を申告

相続税の申告において、葬儀費用を申告する方法は比較的簡単です。葬儀費用に関する内容を「相続税申告書」に記入するだけです。 以下に手続きの流れを説明します。 まず、申告書の第13表である「債務及び葬式費用の明細書」を使用します。 この書類の「2.葬式費用の明細」の部分に、支払先と金額、負担した人の氏名、負担金額を記入していきます。 次に、「3.債務及び葬式費用の合計額」の「葬式費用」欄に、確定した費用と確定していない費用をそれぞれ記入します。 この合計金額が控除額となります。相続税の申告書は税務署で入手することができます。また、国税庁のホームページでもダウンロードすることができます。 葬儀費用を控除するためには、証拠として領収書を添付する必要があります。ただし、領収書やレシートが入手できない場合でも、メモやノートなどでも構いません。

まとめ

葬儀の費用は、所得税の確定申告ではなく、故人様から遺産を引き継ぐ際の相続申告の控除対象となります。 申告方法は、相続税申告書の「債務および葬式費用の明細書」に支払先や支払額を記載するだけであり、難しい手続きではありません。申告のためには、メモ書きや領収書を必ず保管しておくようにしましょう。 葬儀後のフォローも手厚い「おくりびとのお葬式」にぜひ各種申請手続きのご相談をしていただければと存じます。