おくりびとのロゴ
おくりびとのアイコン

供花のご依頼

TOP

コラム一覧

葬儀のお車代について|いざというときに困らないマナーと相場

2024.03.12

葬儀のお車代について|いざというときに困らないマナーと相場

画像
目次

葬儀を執り行ってくれる僧侶などの宗教者は、葬儀に欠かせない存在です。 供養というのは最も身近な宗教行為と言えるものですが、その供養を司るのが宗教者であるからです。 葬儀の際、儀式を行なってくれた宗教者に対しては「お布施」というお礼をするのはよく知られているところです。そして、お布施とは別に、「お車代」と呼ばれるものもお礼として渡します。 この「お車代」、文字通り解釈すると交通費ですが、厳密には交通費ではなく、渡し方にもマナーがあります。決まった金額がない「お礼」だからこそ、どれくらい渡すかやどのように渡すかについて、不安に思う方もいらっしゃるはずです。 今回は、この「お車代」について、定義や費用相場、渡すときのマナーやタイミングについて解説します。

葬儀のお車代とは

undefinedの画像

葬儀における「お車代」とは、葬儀に駆けつけてくれた宗教者に対するお礼の気持ちとして渡す金銭です。 葬儀でたとえば読経をあげてくれたお坊さんや、ミサを執り行う司祭などの宗教者に対しては通常「お布施」という形でお礼をします。しかし、お布施の他にもいわば「心づけ」のようなものとして、お車代も別途渡します。 しかし、お車代に関してはお布施と違って「必ず渡すものではない」というのがまた難しいところです。お車代を渡すか渡さないかは状況により異なります。

お車代を渡すのは、原則として宗教者が自力で葬儀場へ駆けつけてくれた場合のみ

お車代を宗教者に渡すのは、あくまでも宗教者が車なり電車なり徒歩なり何らかの手段を使って、自力で葬儀場に来てくれた場合のみです。 たとえば菩提寺が近い場合や、喪主が車を運転できる場合や運転手を手配している場合で、宗教者を車で迎えに行って、葬儀場へ送迎したとしましょう。そうした場合はお車代は渡しません。駆けつけてくれたことそのものではなく、自力で手間や費用をかけて駆けつけてくれたことに対して感謝が発生するからです。 他にも、タクシーやハイヤーなどを宗教者のためにチャーターした場合もお車代を渡す必要はありません。

お車代は「交通費」ではない?

お車代はその名前の通り、名目上はいわば交通費のようなものですが、必要経費としてではなくあくまでも「お礼」として渡すものです。 とはいえお車代という名目なので、実費をベースにはするのですが、お車代を渡す場合にも実費に少し色をつけた形で渡します。あくまでも「お礼」なので、厳密に実費通りではなく感謝の気持ちで色をつけるのです。

葬儀のお車代の相場について

葬儀のお車代は、交通費の実費をベースに計算される「経費」としての名目もありますが、基本的には先に少し述べた通り、お礼の気持ちをこめて渡すものです。 そのため、法律や寺院の規則などで厳密に価格が決まっているわけではありません。とはいえ、相場がある程度わからなければ、どれくらい渡せばいいか迷ってしまうのも頷けます。 ここでは、お車代の大体の相場を紹介していきます。

お車代の相場は5千円〜1万円

お車代の相場は、近隣の菩提寺の場合で5千円〜1万円ほどといわれています。 とはいえ、あくまでも相場ですし、厳密に価格が決まっているものではないので、近隣の場合は3千円でも大丈夫ですし、逆に1万5千円でも構いません。しかし県外など遠くから来ていただける場合には、2万円〜3万円くらいの価格で多めに渡しましょう。 あまり多いケースではないですが、新幹線などで明確に実費がわかる場合には実費にプラスして5千円〜1万円ほど色をつけるのがいいかもしれません。

直接価格を問い合わせて聞くのもあり

お車代のように相場が決まっていない金額のものに対して迷った場合には、直接宗教者に聞いてみたり、菩提寺に問い合わせたりするのも大丈夫です。 あくまでもお礼の気持ちなので暗黙のルールや裏ルールに類するものもなく、明確に金額が決まっているわけではないものの、大体の相場を教えてくれるでしょう。

お車代の表書きについて

undefinedの画像

お車代は、基本的にはお布施と同じく表書きを書いた袋に入れて渡します。 表書きは「御車代」「御車料」のいずれかを書きます。 葬儀の場で表書きといえば「香典」を連想する方も多いでしょう。香典の場合、表書きは薄墨を使って書くのがマナーとなっています。しかし、お車代の場合は、別に薄墨でなくとも、どんな濃さの墨で書いても大丈夫です。 ただ、マジックや丸文字だと格好がつきませんし、ボールペンやサインペンなどはそもそもマナー違反になるので、墨と筆を使わない場合でもせめて筆ペンで書いた方がいいでしょう。

お車代を渡すときのマナー

お車代を渡すのには一定のマナーがあります。 包み方が若干似ている香典と混同してしまうこともあるので注意しましょう。

水引か無地の白い封筒に入れて渡す

お車代は、水引か無地の白い封筒に入れて渡すのがマナーとなっています。 水引も無地の白い封筒も、文具店で市販されているもので大丈夫ですので、何も難しいことはありません。封筒の場合は表面に表書きと名前を、裏面に住所と氏名を書きます。水引きの場合は熨斗の部分に表書きと名前を、中袋に住所と氏名を書きます。 封筒の表書きは、上述の通り「御車代」または「御車料」と書きます。それと合わせて名前や「○○家」といったように書くことがありますが、名前は書く場合と書かない場合があります。 名前を書くか書かないかは地域の風習によって変わり、「お車代はお布施と同時に渡すので書く必要がない」「何回も名前を書くのは不吉で良くない」「お返しはいらないという意味で名前を書かない」といった色々な理由があります。 裏面(中袋)には、住所や氏名とお車代の金額を書きますが、縦書きが基本で金額も漢数字を使って縦に書きます。

お車代の場合は新札を使う

前述の薄墨の件もそうですが、お車代も水引を使って渡すので、よく香典と混同されがちです。 香典では、葬儀を予期していたとか準備していたと思われないために、新札を使ってはいけないというマナーがありますが、お車代の場合は新札を使っても構いません。香典がお供物の代わりであるのに対して、お車代は僧侶への感謝の気持ちを表すものだからです。 くしゃくしゃの汚いお札でなければ新札でなくとも構いませんが、マナーを重視するのなら、感謝の気持ちを的確に表現するために新札を使うのがマナー、と言えるでしょう。 香典のマナーについては以下の記事を参照ください。

香典と袱紗(ふくさ)とは?マナーや使い方、どこで手に入るかを紹介

おくりびとのコラム

香典と袱紗(ふくさ)とは?マナーや使い方、どこで手に入るかを紹介

お車代を渡すタイミング

お車代を渡すタイミングは、一般的には葬儀の後、宗教者にお布施を渡すのと同じタイミングが最適といわれています。 お布施と同じタイミングで渡すため、お布施の封筒にすでに名前を書いてあるという理由から、御車代の封筒には名前を書かないという風習があるところもあるのです。 葬儀の前に渡しても構いませんが、葬儀の前というタイミングは、一般的に宗教者は儀式の準備で忙しく非常にバタバタしているものです。宗教者は葬儀当日のギリギリに来るということはありませんが、逆にものすごく余裕がある時間に来てくれるわけでもないため、あえて葬儀前で渡すこともないかと思われます。

まとめ

以上、葬儀におけるお車代について、定義や費用相場、渡す時のマナーやタイミングなどを解説しました。 お車代は、宗教者に自力で葬儀にお越しいただいた場合には渡すべきものです。しかし、あくまでお礼の気持ちを示すものであり決まった金額はないので、余裕がない時に無理をして相場に合わせる必要はありません。 相場はあくまでも目安です。金額よりも守るべきは渡し方のルールの方なので、そこは徹底するようにしましょう。