葬儀保険は、葬儀にかかる費用をカバーしてくれる保険のことです。 この記事では、葬儀保険の概要や種類、加入すべきかどうか、といった点について解説します。また、葬儀保険を選ぶときのポイントについても取り上げていきます。 葬儀保険に興味がある、万が一のことがあったときに備えておきたいといった人は、ぜひ参考にしてください。
葬儀保険とは
葬儀保険とは、被保険者本人の葬儀にかかる費用をカバーしてくれる保険のことです。 少額短期保険とも呼ばれ、保険会社によっては、「お葬式保険」や「終活保険」、「死亡保険」といった名前で扱われていることもあります。 なお葬儀保険は、生命保険などの他の保険とは異なり、少額保険料で保険期間が短い保険商品であり少額短期保険に含まれます。 少額短期保険・・・短い期間、少額の保険金額で少額の保証が受けられる保険。 保険金は請求後すぐに支払われることから葬儀費用などに充やすい。 *掛け捨ての保険となり、契約期間も1年間または2年までと定められているため、長期保証目的ではなありませんのでご注意ください。
葬儀保険の種類
葬儀保険には大きく分けて「保険料定額タイプ」と「保険料一定タイプ」の2種類があります。 保険料定額タイプ・・・・その名の通り受け取る保険金額が変わりません。 ただし、年齢によって月々の保険料は変化します。 例えば、保険金額が100万円である場合、50歳までは毎月の保険料が1,000円、 60歳までは2,000円、70歳までは3,000円といったイメージです。 保険料一定タイプ・・・・年齢に応じた保険料の増額は発生しません。 ですが、歳を重ねるごとに受け取ることのできる保険金額が減額されます。 例えば、毎月の保険料が2,000円の場合、50歳までは100万円、60歳までは80万円、 70歳までは60万円を受け取ることができるといったイメージです。 保険料を一定にしたいか、保険金額を一定にしたいかによって選ぶ葬儀保険は変わってくるでしょう。
葬儀保険には加入すべき?
葬儀の規模によっては100万円以上の費用が発生するケースもあるため、費用負担を軽減したい場合は葬儀保険への加入を検討してみるのも良いでしょう。 葬儀は一般的に、喪主が葬儀費用を負担するケースが多く、喪主は故人の配偶者や子どもが務めることが多くなっています。少しでも家族の負担を軽減したい場合、葬儀保険は大いに役立つこととなります。 また、葬儀保険は一般的な生命保険とは異なり、保険金を葬儀に使用することを目的としているため、高齢者でも加入しやすいという特徴があります。また、保険料も少額であるなど、加入のハードルは決して高くありません。そういった意味でも、万が一に備えて加入しておくことをおすすめします。 「おくりびとのお葬式」では、葬儀費用についても解説しています。 どのくらいの費用が必要になるのか詳しく知りたい人は、こちらもご覧ください。
葬儀保険の注意点
葬儀保険は、あくまでも掛け捨て型の保険であるため、解約時にそれまで支払っている保険料が返ってくることはありません。 また、保険金額に上限があるため、加入期間が長くなり支払う保険料が増えると、元本割れを起こす可能性もあります。 これらの点を踏まえたうえで、自分にあった保険、保険期間を選ぶことが大切です。
葬儀保険の選び方
ここでは、葬儀保険を選ぶ際のポイントについて解説します。葬儀保険を提供する保険会社はさまざまであるため、ポイントを押さえて選ぶことが大切です。
少額短期保険業者であるかどうか
葬儀保険を提供する保険会社が、少額短期保険業者であるかどうかチェックしておくことは非常に重要です。 生命保険を扱い企業の場合、法律によって生命保険契約者保護機構に加入しています。 同機構に加入することで、保険会社が破綻したとしても契約者は一定程度保護されます。 一方で葬儀保険は保護機構の対象ではありません。少額短期保険を提供する場合、保険会社に供託金の支払いこそ義務付けられていますが、必ずしも被保険者が保護されるとは限りません。そのため、リスクを回避するためにも、葬儀保険を提供している保険会社が金融庁に少額短期保険事業者として登録されているか確認しておきましょう。
現金を受け取れるスピード
葬儀保険を選ぶうえでは、現金をどのタイミングで受け取ることができるかという点が非常に重要です。 臨終から葬儀の実施までの期間は短く、事故や急病によっては突然葬儀費用が必要となることもあります。また、僧侶やお寺には現金でお布施を渡すなど、葬儀の実施に当たっては現金が欠かせません。手元に葬儀費用をカバーできるだけの貯蓄がない場合、葬儀保険を選ぶさいは現金を受け取れるスピードをチェックしておきましょう。
補償範囲
葬儀保険によっては、葬儀費用だけでなく、遺留品整理にかかる費用やお墓を建てる際の費用までカバーしてくれるものもあります。葬儀保険にどこまでカバーしてもらいたいのか、事前に明確にしたうえで補償範囲をチェックしておきましょう。
健康状態の告知
葬儀保険には、健康状態の告知が不要なものもあれば、必要なものもあります。 告知が必要な場合は、事前に医師に夜診断書や健康状態の告知書などを準備しなければならないため、時間がかかります。 すぐに葬儀保険に加入したい場合は、健康状態の告知の有無についても確認しておきましょう。
まとめ
今回は、葬儀保険の概要について解説しました。 葬儀保険は、被保険者自身の葬儀を行う際の費用をカバーしてくれる保険のことです。葬儀にかかる費用は決して安くないため、家族への負担を少しでも軽減したいといった場合は、加入しておいて損はしないでしょう。葬儀保険を選ぶ際は、補償範囲や現金を受けるまでのスピード、健康状態の告知の有無などをチェックしておくことが大切です。