時代の変化に沿って葬儀の形式も多様化する中、急速に実施割合を増やしているのが「家族葬」です。現在では葬儀全体の中でも実施割合が最多となっており、特にコロナ禍以降、一気に家族葬が重視されるようになりました。 家族葬は参列者を制限するだけで実施できるので、新しいスタイルの葬儀の中でも比較的取り入れやすいといえるでしょう。しかし、まだまだ歴史が浅い中で、家族葬という形式に不安を覚える方も少なくないのではないでしょうか。 そこで今回は、家族葬がどうして多く選ばれているのか、その理由を探っていきます。また、家族葬の費用相場やメリット、注意点についても解説していきますので、この記事を参考に、家族葬について詳しく知っていきましょう。
家族葬とは?
家族葬とは、故人様の直系の家族もしくは親しい身内だけが参列する、小規模な葬儀のことです。家族葬という呼び方から、直系の家族やその配偶者・兄弟姉妹といった狭い範囲のみしか呼べないイメージがありますが、実際には参列者の範囲に特別な制限はなく、故人様やご遺族と親しい関係であれば血のつながりがない友人知人でも呼ぶことができます。あくまでも優先されるのは故人様やご遺族の意志なので、呼ぶ人数や呼ぶ人の属性は自由に決められます。家族葬といいつつ家族を呼ばない、という例もあります。
家族葬の費用について
家族葬の費用は、一般的な葬儀と比べると少なくなる傾向にあります。しかし、家族葬はあくまでも参列者が制限されるだけで葬儀の流れが簡略化されるわけではないので、葬儀費用それ自体については、実は一般葬と比べても大して差がありません。 エンディングデータバンクによる2017年の調査によれば、家族葬の相場は100万円~110万円あたりが平均となっています。一般葬の場合は家族葬に比べるとプラス30万円~40万円くらいの費用が平均値です。なお、私共「おくりびとのお葬式」の家族葬プラン費用の相場(税込・会員価格)は38.5万円~に対して、一般葬は44.5万円~と、6万円ほどの差しかありません。 それでも家族葬のほうが一般葬よりも安くなるのは確かです。理由としては、親しい家族親族や一部の知人友人のみということで通夜振る舞いや精進落としといった食事会が省略されること、参列人数が少ない分大きな会場を借りなくて済み、会場使用料が安く済むことなどが主となっています。 家族葬の費用については以下の記事も参照ください
おくりびとのコラム
家族葬の費用って実際どのくらい?平均相場や安く抑える方法を紹介
家族葬が選ばれている理由とメリット
家族葬は、費用面でのメリットもありますが、通常の一般葬と比べた際に色々なメリットが他にもあります。メリットを知ることで、家族葬がなぜ選ばれるのか、その理由を知ることができるでしょう。
家族葬のメリット
ここでは、家族葬の主なメリットについてみていきましょう。 ♦ご遺族の負担が少なくて済む 家族葬の最大のメリットは、とにかくご遺族の負担が少なく済むことです。家族葬は何度も説明している通り、参列者を絞り込むスタイルの葬儀です。参列者を限定することで純粋に人数も減りますし、親しい間柄の人に限られているので、気を遣う必要もありません。 参列人数が多く幅広いと、参列者対応や食事会の準備などに多くの時間と労力が必要になり、思いのほかご遺族にとってストレスが大きくなってしまいます。ただでさえ故人様の死に際してやることが山積みなご遺族にとって、そうしたストレスが大きく軽減されるのは、無視できないどころか非常に大きなメリットであることは間違いありません。 ♦不特定多数の人数が集まらずに済み、感染対策にもなる 特に近年は感染症のパンデミックが終息する様子もなく続いていることから、まだまだ大勢で集まることに対して抵抗感がある方も多いのではないでしょうか。特に葬儀で人が集まる際には高齢の方も多く、高齢者は重症化リスクも大きいため不安に感じる方も少なからずいらっしゃるはずです。こうした中で家族葬が多く選ばれるのは、参列者をご遺族の権限で自由に絞ることができ人数を減らせるので、感染リスクも同時に軽減できるということも大きな理由のひとつでしょう。
家族葬を行う場合の注意点
家族葬を行う際には、いくつか注意点があります。基本的にメリットが多い家族葬ですが、参列者を制限するあまり参列者以外の人への対応が手間になってしまったり、金銭的負担が結果的に一般葬より大きくなってしまったりすることもあります。
葬儀に呼ばない人にも葬儀前あるいは葬儀後に連絡する
家族葬では、参列者に関してごく限られた人に制限をします。その分、通常の葬儀よりも「参列したかったけど参列できなかった」という人の数も増えてしまうと考えられます。そうした方にも礼儀を失しないよう、葬儀前または葬儀後に連絡をしなければなりません。 葬儀前に連絡する場合は家族葬である旨と会葬辞退の旨を伝えるようにし、葬儀後に連絡する場合は葬儀の報告と葬儀が終わっていることのお詫びを連絡します。また、参列できなかった人が後日自宅に弔問に訪れ、それに対する応対の手間なども発生します。
香典が少なくご遺族の費用負担が大きくなることもある
家族葬の中でも代表的なデメリットとして、参列者を絞ることによって直接赴いて香典を持参する人数が減ることによって、ご遺族の費用負担が結果的に大きくなってしまうことがあります。 こればかりは仕方のない問題ではありますが、会葬できない人で香典を送ってくれる人はどうしても少なくなってしまいますし、難しい問題です。後で弔問の際に香典を持ってきてくれる人もいらっしゃるでしょうが、精算した場合に余程交友関係が広い人でない限りむしろ一般葬より負担額が大きいということも起こりえます。
まとめ
以上、家族葬の費用相場やメリットから注意点までを解説することで、家族葬がなぜ選ばれるのか、その理由に迫ってみました。 中でもただでさえ負担の大きいご遺族の体力的・精神的負担をぐっと減らせるメリットは大きく、結果的に負担額が大きくなるにしても、あまりある利点があるのも確かです。また、昨今の情勢を鑑み感染対策も可能な、時代に合った葬儀形式ということも強いでしょう。 私共「おくりびとのお葬式」では、家族葬をはじめとした小規模な葬儀に関しても手抜かりなく、徹底したご遺族のサポートを行っています。弔事の際はぜひご相談ください。