葬儀を葬儀社にお願いする場合、葬儀費用は基本的に一式の見積もりとなります。 一般的に葬儀費用の見積もりに含まれる内訳はどの葬儀社でも同じですし、契約前に内訳を確認できますが、特にプラン設定されている場合は見積もりに何が含まれているか分かりにくいのも確かです。 そこで今回は、葬儀の見積もりに含まれる内訳と、含まれない費用について解説していきます。訃報が出る前に葬儀の見積もりを出せる生前見積も含め、葬儀の見積もりの取り方や注意点も解説しますので、葬儀費用に不安がある方はぜひ参考にしてみてください。
葬儀の生前見積とは
葬儀は、一般的には訃報が出てから手配をします。 人の死は予想できないですから、葬儀はいつ出るかわからないというのもありますし、日本では葬儀の準備をあらかじめしておくことを不吉と捉える向きがまだまだ根強いからです。 しかし、いざ訃報が出てから葬儀を手配するとなると慌ただしくなりますし、短時間で葬儀の内容を決めたり各種手配を済ませたりしなければならず、ご遺族の負担も非常に大きくなります。そうした負担に対して対策をしておくことは決して悪いことではありません。対策として最も確実な方法は、「葬儀の生前見積」を出しておくことです。
葬儀の生前見積もりとは
葬儀の生前見積とは、文字通り故人様が存命のうちに、葬儀費用の見積を出しておくことです。 一般的には葬儀は訃報が出てから慌てて手配するもの、とされている節がありますが、葬儀費用の見積もりは生前であっても出すことができます。 「生前から葬儀の見積もりなんて」と煙たがられることもまだまだ少なくないですが、生前に葬儀の見積もりを出しておくことには多くのメリットがあります。
葬儀の生前見積もりのメリット
葬儀の生前見積もりの代表的なメリットは、「冷静に葬儀の打ち合わせができる」ことです。 いざ訃報が出てからの葬儀の手配では、どうしても冷静ではいられないですし、そもそも時間が限られるため、正常な判断が難しくなります。生前のうちに葬儀の内容を詳細に決め見積もりを出しておくことで、冷静に内訳を確認できるため、無駄な費用を上乗せされるリスクも無くなります。 「故人様本人の意思を最大限に反映できる」ことも大きなメリットです。生前見積では、ご遺族はもちろん、本人同席の元で葬儀社と生前の元気なうちに打ち合わせをし、詳細な見積もりを出してもらえます。本人が葬儀の内容を決められるので、詳細な部分まで全て本人の意思を尊重できる点も、生前見積もりの魅力です。 葬儀の生前見積もりを出せば、生前予約も可能です。葬儀の生前予約についての具体的内容は以下の記事を参照ください。
おくりびとのコラム
葬儀の生前予約について。今から始められる終活の一つの形。
葬儀の見積もりに含まれるもの
葬儀の見積もりを出してもらうにあたって重要なのは「具体的に何が葬儀の見積もりに含まれるのか」を知ることです。 これを知ることで、葬儀費用の全体像を大まかに把握できますし、追加費用として何が必要になるのかをイメージできます。 葬儀の見積もりに含まれる費用には「固定費用」と「変動費用」があります。それぞれ、具体的に何が含まれるのかをみていきましょう。
固定費用
葬儀の見積もりにおける固定費用とは、「葬儀運営を行うにあたって絶対に必要になる固定費」のことです。 固定費用に含まれるのは、具体的には以下のような費用です。
葬儀の固定費用に含まれるもの |
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会場使用料(斎場・セレモニーホールなど) |
火葬費用(火葬場使用料・休憩室使用料) |
棺・祭壇一式・焼香設備・供花・骨壷・看板・芳名帳などにかかる費用 |
棺に入れるドライアイスの費用 |
乗り物の手配費用(霊柩車や寝台車、マイクロバス・ハイヤーなど) |
遺体処置費用(メイクやエンバーミングなど) |
遺影作成費用 |
スタッフの人件費 |
その他オプション料金(白装束への着せ替え・湯灌・花飾りなど) |
変動費用
葬儀の見積もりにおける変動費用とは、「葬儀運営の際に必要ではあるものの状況に応じて変動する(変動が大きい)費用」のことです。 基本的には人数に応じて変動する費用が多くなっています。変動費用に含まれるのは、具体的には以下のような費用です。
葬儀の変動費用に含まれるもの |
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通夜振る舞い・精進落としなど会食にかかる費用 |
会葬礼状・会葬返礼品にかかる費用 |
遺体安置費用(日数により変動) |
葬儀の見積もりに含まれないもの
それでは、葬儀の見積もりに含まれない費用にはどういったものがあるのでしょうか。 これは、主に喪主から直接支払い先に渡すべき費用があげられます。葬儀社がまとめて立て替えてくれる場合もなくはないですが、見積もりにはあまり含まれない費用です。
葬儀の見積もりに含まれない費用 |
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宗教者へのお礼として渡す費用(お布施・お車代・御膳料) |
手伝ってくれた人へのお礼として渡す費用(心付け) |
葬儀の見積もりの取り方
葬儀の見積もりの取り方は、一定の手順があります。 基本的には以下のようなプロセスを通して見積もりを確定させます。訃報の後に葬儀を手配しても流れは変わらないので、なるべく生前の余裕のあるタイミングに決めておくと安心です。 ①葬儀社を選定し、葬儀社へ連絡をする ②葬儀社の担当者と面会し、葬儀の内容を打ち合わせする ③故人様の宗教宗派やざっくりとした参列人数を伝え、葬儀会場を決める ④葬儀の形式や内容、必要なオプションなどを細かく詰めていく ⑤見積もり書を出してもらう
見積もりから高額にならないための注意点
特に訃報が出てから短時間で決めると、葬儀費用の見積もりが高くなったり、見積もり後に追加費用が嵩んだりして結果的に葬儀費用が高額になってしまいます。 葬儀費用の見積もりを取る際には、以下のような点に注意するといいでしょう。 ♦見積もり書に含まれている内訳を全て確認し、必要な費用が全て含まれているかを確認する ♦不要なオプションがつけられてないか確認する(少人数なのにマイクロバスやハイヤーが手配されているなど) ♦そもそも追加費用が発生する可能性がある見積もりなのかを詳細に確認する ♦見積もり項目が希望通りのサービス内容と合ったものになっているかを確認する
まとめ
以上、葬儀の見積もりに含まれる費用と含まれない費用について解説しました。 葬儀の見積もりは項目が非常に多く細かくなりがちです。できる限り冷静になって詳細な項目まで1つ1つ、希望に見合ったサービスとなっているかをしっかり確認しましょう。面倒であっても無駄な費用や不要なオプションはなるべく削ぎ落とすことで、想定外の費用が嵩むことを防げます。 そうした詳細な見積もりを他社とも見比べて冷静に検討するためにも、できる限り生前見積を済ませておくと安心です。