葬儀に際しては、所定の代金がかかります。 葬儀代金は、葬儀の形式や内容によって大きく変わりますが、比較的葬儀代金が安い簡略化された葬儀でも数十万円の負担が必要となり、高額である場合が多いです。 そうした葬儀代金について、経済的な事情でなかなか一度に大きな金額が支払えないという方も少なくないのではないでしょうか。そういった場合には、葬儀代金の割引制度を利用することを検討してみましょう。 今回は、葬儀代金における割引に焦点を当て、葬儀代金の割引方法を解説するとともに、方法別の割引相場も紹介していきます。
葬儀代金とは
葬儀代金とは、葬儀一式に対してかかる代金のことです。 一般的に葬儀代金と呼ぶ場合、以下のような内訳の範囲をまとめた一式の費用を指すことが多くなっています。基本的に葬儀に関わる費用をざっくりとまとめたものなので、「葬儀一式費用」「葬儀本体費用」ということもあります。 ♦会場使用料(斎場や葬祭ホールなど) ♦火葬場の使用料 ♦祭壇や棺など葬儀に必要なものの調達費用 ♦人件費 ♦供花などお供物の手配料 ♦遺体搬送に使う寝台車や霊柩車の手配料 他 なお、葬儀費用の統計では、通夜振る舞いや精進落とし、返礼品といった参列者に対する飲食接待費用や、駆けつけてくれた宗教者へのお礼に包むお布施は含めておらず別々に集計されることが多いです。 ですが、実際に葬儀社に依頼する場合は上記内訳に含めてお布施や返礼品などの費用を葬儀社が立て替える場合も多く、そうした費用も加算された金額をまとめて支払うことになります。
葬儀代金の一般的な費用相場
葬儀代金(飲食接待費やお布施も含む)のここ近年の調査では平均値でおよそ110万円~190万円となっています。 おおよそ5年前の調査で190万円ですが、コロナ禍以降で50万円以上下がり、直近の調査では110万円前後と全体的な平均値を大きく落としました。葬儀代金は年々下がってきてはいますが、ある程度まとまった金額が必要であることは変わっていません。 ちなみに上記の相場は日本で最も一般的となっている「二日葬」の場合です。近年増えている「家族葬」や「一日葬」「火葬式」など簡略化された葬儀や小規模な葬儀を選ぶとその分費用を抑えることが可能となります。葬儀代金は地域によっても異なりますが、葬儀方法別のざっくりとした葬儀代金相場は以下の通りです。
葬儀形式 | 葬儀代金の費用相場 |
---|---|
二日葬(一般葬) | 80万円~100万円 |
家族葬 | 67万円~75万円 |
一日葬 | 50万円~60万円 |
火葬式(直葬) | 30万円~45万円 |
※「自社調べ」
葬儀代金の割引方法①:互助会
日本では、葬儀をはじめとする冠婚葬祭の際に使える「互助会」という制度が用意されています。 互助会とは、冠婚葬祭行事に備えて毎月一定のお金を積み立てていくことで、いざという時に積立金に応じたサービスの提供を受けられるという仕組みです。 保険や年金といった制度と同じように、相互扶助の精神により設立された制度であり、皆で負担を分け合って少しずつ積み立てていくことにより、一人一人の負担を和らげる目的を持って設立されています。互助会の会員となることで、互助会直営あるいは提携の葬儀会場を利用できるなど予算に合わせて葬儀の手配を行ってもらえるので、特に高額となりやすい葬儀代金を割引くことが可能です。
葬儀代金の割引方法②:葬儀保険
葬儀保険は、加入者の死後に支払われる保険金を葬儀代金にあてることができる保険です。 一般的な生命保険のように死後に掛け金に応じた保険金がまとめて支払われ、その中から葬儀代金を支払う仕組みと、保険金を葬儀代金だけに限定した少額短期保険という仕組みの2つがあります。前者は保険会社と、後者は葬儀保険を専門に扱う業者と契約します。後者の葬儀保険は契約期間が1年など短い契約であることが多いです。 葬儀保険で費用負担を減らす方法の詳細については以下の記事を参照ください。
おくりびとのコラム
葬儀保険で費用負担を減らせる!種類や選び方、年齢での違いを解説
葬儀代金の割引方法③:葬儀社の会員制度
葬儀社の会員制度を利用する方法もあります。 葬儀社の会員制度は、生前から加入しておくことで、葬儀費用が割引になる制度です。互助会制度と違い、年会費や月々の積立費が無料で、入会金のみを請求されることが多くなっています。 葬儀社によって入会金は変わりますが、安いところでは千円から、高いところでは数万円程度まで、そこまで大きな負担にはならないことが多いです。また、月々の積立費や年会費が無料であるにもかかわらず、加入期間が長いほど割引率が上がることも大きな特徴と言えるでしょう。
葬儀代金の一般的な割引相場
上記のような葬儀の割引方法がありますが、それぞれ具体的にどれくらい割引されるのか、割引率の目安を見ていきましょう。 仮に葬儀代金を100万円とざっくり見積もった場合の割引相場について以下のように表にまとめましたので参照ください。
割引方法 | 割引相場 |
---|---|
互助会 | 葬儀代金に対して30%~50%の割引 |
葬儀保険 | 保険会社により異なる(50万円~300万円程度の支給が多いため葬儀形式によっては100%の割引率となる場合もある) |
葬儀社の会員制度 | プラン料金の10%割引や、最大20万円の割引といったように、葬儀社により異なる 割引率でいうと10%~50%くらいのものが多い |
まとめ
以上、葬儀代金の割引方法と、割引相場について解説しました。 葬儀代金の割引内容としては、純粋に現金ベースで割引を受けられるもの、斎場の手配などサービスも含めた様々な形で割引を受けられるものなどいろいろありますが、いずれも無視できない割合・価格での割引となります。 割引を利用すると非常にお得であることはもちろん、互助会制度のように葬儀会場の手配などの全般的なサポートを受けられる場合もあり、葬儀自体をスムーズに進めることも可能です。高い葬儀代に悩む場合には、早いうちから割引の利用を検討してみてください。